釣り糸(ライン)の捨て方|何ゴミ?分別・切り方・回収まで解説

古くなったラインを巻き替えたとき、外した釣り糸をどう捨てればいいのか迷ったことはないでしょうか。 釣り糸は細くて絡みやすく、そのまま捨てていいのか、何ゴミなのか、意外と判断に悩む道具です。
結論から言うと、釣り糸は燃やすごみ(可燃ごみ)とする自治体が多いものの、区分は自治体で違います。どの区分でも、長いまま出さず、短く切ってまとめるのが正しい捨て方です。
この記事の要点
- 「釣り糸」は燃やすごみ(可燃ごみ)の自治体が多いが、広島市のように「その他プラ」の自治体もある
- そのまま長く捨てず、短く切ってテープ・小袋でまとめる
- PE・ナイロン・フロロとも、自治体の「釣り糸」の区分で出す
- 釣り場への放置・糸くずの置き去りは環境と生き物に被害を与えるため厳禁
釣り糸は何ゴミ?燃やすごみ(可燃ごみ)が多いが自治体で違う
釣り糸の区分は、燃やすごみ(可燃ごみ)とする自治体が多い一方、プラスチックに分ける自治体もあります。主な自治体の「釣り糸」の区分は次のとおりです。
| 自治体 | 「釣り糸」の区分 |
|---|---|
| 横浜市 | 燃やすごみ |
| 福岡市 | 燃えるごみ |
| 静岡市 | 可燃ごみ(「テグス(釣り糸)」) |
| 江東区(東京都) | 燃やすごみ |
| 三鷹市 | 可燃ごみ |
| 柏市(柏地域) | 可燃ごみ |
| 東大阪市 | 家庭ごみ(もえる物) |
| 宗像市 | 燃やすごみ |
| 広島市 | その他プラ |
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出典:横浜市/福岡市/静岡市/江東区/三鷹市/柏市/東大阪市/宗像市/広島市
表の自治体は、ナイロン・フロロカーボン・PEの素材で分けず、「釣り糸」1品目で区分を決めています。家庭用のハサミで短く切り、その自治体の区分の袋に入れて出す形になります。
ラインに付いたままのスナップやサルカン、オモリ、釣り針などの金具は、糸から外して自治体の金属・不燃の区分に分けます。
釣り針は、横浜市では「小さな金属類」で新聞紙等に包んで品名を表示し、江東区では「燃やさないごみ」でケースなどに入れて出します。
「本当に燃えるごみでいいのか」と不安になる方もいるかもしれません。 実は、ここが最も注意したい点です。
ごみの分別区分は自治体ごとに定められていて、広島市のように釣り糸をプラスチックの区分にしている自治体もあります。可燃と決めつけず、必ず事前に確認することが大切です。
自治体の分別を調べるコツ
お住まいの「自治体名+釣り糸 分別」や「自治体名+テグス ごみ」で検索すると、多くの市区町村でごみ分別辞典のページが見つかります。 自治体のごみ分別アプリがある地域なら、品目名で検索するのが最も確実です。「釣り糸」で出ない場合は「テグス」「ナイロン糸」でも調べてみてください。
そのまま捨ててはいけない理由と正しい出し方
釣り糸を捨てるときの基本は、長いまま出さず、短く切ってから、テープや小さな袋でひとまとめにして出すことです。宗像市の分別表にも「釣り糸は短く切って『燃やすごみ』」とあります(宗像市 これは何ごみ)。
長い糸のままだと、袋の中でほどけて広がり、こぼれた糸が屋外で野鳥などに絡まるおそれがあります。細く透明なラインは目立たず、いったん環境に出ると回収も困難です。
金具を外す
スナップ・サルカン・オモリ・釣り針は糸から外して分ける。針は紙などに包む
短く切る
ハサミで細かく切る
まとめる
テープで巻くか小袋に入れて飛散しないようまとめる
分別を確認して出す
自治体の「釣り糸」の区分に従って指定袋で出す
具体的には、まずラインに付いている金具を外し、糸だけの状態にします。次にハサミで細かく切り、そのままだとバラけて飛散しやすいので、テープでぐるぐる巻きにするか、小さなポリ袋に入れて口を縛ってまとめます。最後に自治体の分別区分に従って指定のごみ袋へ入れれば完了です。
「切るのが面倒で、丸めてそのまま捨てたい」という方もいるかもしれません。 気持ちはわかりますが、丸めただけの糸は袋の中でほどけやすく、収集時に散らばる原因になります。釣り場で出る切れ端は、後述する携帯用の糸くず入れを使えばその場で細かくまとめられるので、日頃から癖にしておくと自宅での処理もぐっと楽になります。
PE・ナイロン・フロロ|素材別の捨て方の違い
素材別に見ても、PE・ナイロン・フロロカーボンの捨て方の基本(短く切ってまとめ、自治体の「釣り糸」の区分で出す)は共通です。
理由は、上の表の自治体の分別表が、素材で区分を分けていないからです。ただし、糸の構造(1本の単線か、細い糸を合わせたものか)によって、切りやすさや扱いやすさに少し差があります。
素材と構造は次の表のとおりです。ナイロンとフロロカーボンは単線(モノフィラメント)、PEはポリエチレン繊維を合わせたマルチフィラメントです(サンライン 一般的なラインの素材特徴/バリバス ライン選びのポイント)。
| 比較項目 | ナイロン | フロロカーボン | PE |
|---|---|---|---|
| 構造 | 単線(モノフィラメント) | 単線(モノフィラメント) | 複数の糸を合わせたマルチフィラメント |
| 素材 | ナイロン(ポリアミド) | ポリフッ化ビニリデン(フッ素系樹脂) | ポリエチレン |
| 捨て方の基本 | 自治体の「釣り糸」の区分 | 自治体の「釣り糸」の区分 | 自治体の「釣り糸」の区分 |
| 切るときの注意 | ハリがあり跳ねやすい | 硬めで切り口が飛びやすい | 編み糸で切りにくいがハサミでOK |
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具体的には、ナイロンやフロロカーボンは1本の単線(モノフィラメント)なので比較的切りやすい一方、切った瞬間に糸が跳ねて飛び散りやすい性質があります。PEは細い糸を合わせた構造のため、ハサミで切りにくく感じることがありますが、切れないわけではなく、よく切れるハサミやラインカッターを使えば問題なく細断できます。
「PEは編み込みだから別の区分なのでは」と考える方もいるでしょう。 たしかに見た目や手触りは他の2つと違いますが、上の自治体の分別表は素材を問わず「釣り糸」としてまとめて扱っています。いずれの素材も、最終的な分別区分は自治体の指定に従うのが基本です。
【比較】燃えるごみ vs 釣具店の回収ボックス
使い終わった糸そのものは家庭ごみ(自治体の「釣り糸」の区分)、糸を巻き終えた空スプールは釣具店の回収ボックスと分けて使うのが現実的です。
釣具店の回収ボックスは、空スプールなどの釣り具を集めるものです。たとえば釣具のイシグロは、一部店舗に「つり具回収BOX」を置いて次の物を回収しています。家庭のごみの持ち込みは断っています(釣具のイシグロ 店頭サービス)。
- 糸を巻き終えた空スプール(再利用・再資源化)
- 竿の空ケース・オモリ・ハリ
- 仕掛のパッケージ・商品の箱・ポリ袋
具体的には、巻き替えで古いラインが出たら、糸は短く切って家庭ごみに出し、空スプールは回収ボックスのある店舗に持ち込むと無駄がありません。
「近所に回収ボックスがある店がないと、ちゃんと処分できないのでは」と気になる方もいるかもしれません。 回収ボックスはあくまで選択肢の一つで、設置していない店舗もあります。近くにない場合は、自治体の分別に従って家庭ごみとして正しく捨てれば問題ありません。大切なのは釣り場や自然に残さず、正しいルートで処分することです。
釣り場に放置は絶対NG|環境・生き物への被害
使わなくなった糸や釣りの最中に切れた糸は、その場に捨てず、必ず持ち帰ることが何よりも大切です。
理由は、放置された釣り糸が、野鳥や魚などの生き物に深刻な被害を与えるからです。
海に流出した漁網やロープ、釣り糸などの漁具は「ゴーストギア」と呼ばれ、ウミガメや海鳥などに被害を与えています(WWFジャパン)。細く透明なラインは水辺や草地に紛れて見えにくく、釣り糸は丈夫でなかなか切れず、腐りません(新潟県)。
被害の例は次のとおりです。
- 捨てられた釣り糸に野鳥が絡まり、身動きが取れなくなったり、血が通わなくなって足が取れたりする(新潟県)
- 絶滅危惧種のクロツラヘラサギが、河川に捨てられた釣り針が嘴に刺さったり釣り糸に絡まったりして死亡する事故が毎年起きている(環境省 九州地方環境事務所)
- プラスチック製の釣り糸は劣化すると微細な粒子(マイクロプラスチック)になり、河川や海に広がる(荒川クリーンエイド・フォーラム)
釣り糸の放置による被害と、持ち帰りの呼びかけ
放置された釣り糸・釣り針は、野鳥や魚などの生き物が絡まって傷ついたり命を落としたりする原因になります。劣化すると、マイクロプラスチックとして環境に広がります。
新潟県は「釣り糸や釣り針は持ち帰りましょう」と呼びかけ、環境省も釣り糸・釣り針やゴミの放置防止を呼びかけています。使わない糸も、釣りの最中に切れた糸くずも、必ず持ち帰ってください。
出典: 新潟県 / 環境省 九州地方環境事務所 / WWFジャパン / 荒川クリーンエイド・フォーラム
「少しくらいなら大丈夫では」と考えてしまう場面もあるかもしれません。 けれども、一人ひとりが残したわずかな糸くずが積み重なることで、水辺全体の環境や生き物に影響が及びます。切れ端一本でも持ち帰る意識が、釣り場を守り、釣りを長く楽しめる環境につながります。
釣り場で出る糸くずの持ち帰り方|携帯ゴミ箱・糸くずワインダー
釣り場で出た糸くずは、その場で携帯用の糸くず入れ(糸くずワインダー)などにまとめて持ち帰るのが確実な方法です。
理由は、ライントラブルや結び直しで出る短い切れ端は、ポケットや足元に放置するとすぐに風で飛ばされたり見失ったりして、そのまま釣り場に残ってしまいやすいからです。出たその場でまとめてしまえば、飛散も置き忘れも防げます。
道具を増やしたくない方は代用でもOK
専用の糸くずワインダーがなくても、フィルムケースや小さな空きボトル、口を縛れる小袋などを「糸くず専用入れ」として持っておけば十分に代用できます。 大切なのは専用品を買うことよりも、切れ端を必ずまとめて持ち帰る仕組みを一つ用意しておくことです。タックルボックスの中に一つ入れておくと忘れにくくなります。
糸くずワインダーは、切れ端を差し込んで本体を回し、巻き取ってまとめる小型の携帯グッズです。タックルボックスやバッグに一つ入れておくと、出た糸くずをその場で処理できます。
持ち帰った糸くずは、自宅で他のラインと同じように短く切ってまとめ、自治体の分別区分に従って処分してください。
釣行後5分ケア
- 釣行中に出た糸くずは糸くずワインダー等でその場で回収
- 釣り場に切れ端を絶対に残さない
- 交換後の古いラインは必ず持ち帰る
- 自宅で短く切ってまとめ、自治体の区分に従って処分
まとめ
- 「釣り糸」は燃やすごみ(可燃ごみ)の自治体が多いが、広島市のように「その他プラ」の自治体もある。必ず自治体の区分を確認する
- 捨てるときは金具を外し、短く切って、テープや小袋でまとめてから出す。釣り針は紙などに包んで金属・不燃の区分へ
- PE・ナイロン・フロロとも、素材で分けず「釣り糸」の区分で出す
- 空スプールは、釣具店の回収ボックス(設置は一部店舗)も使える
- 釣り糸や糸くずを釣り場に放置しない。切れ端一本でも必ず持ち帰る
よくある質問
釣り糸は何ゴミで捨てればいいですか?
横浜市・福岡市・静岡市・江東区などは「釣り糸」を燃やすごみ(可燃ごみ)とし、広島市は「その他プラ」としています(2026年10月時点)。区分は自治体で違うので、捨てる前に、お住まいの自治体のごみ分別ページやアプリで「釣り糸」または「テグス」の区分を必ず確認してください。
PEラインも燃えるゴミで大丈夫ですか?
PEラインの素材はポリエチレンで、細い糸を合わせたマルチフィラメントです。自治体の分別表は素材を分けず「釣り糸」として区分を決めているので、PEもナイロンやフロロと同じ区分で出します。横浜市・福岡市などは燃やすごみです。お住まいの自治体の区分を確認してください。
釣り糸は長いまま捨ててもいいですか?
長いまま捨てるのは避けてください。短く切り、テープや小袋でまとめてから出すのが基本です。宗像市の分別表にも「釣り糸は短く切って『燃やすごみ』」とあります。長い糸のままだと袋の中でほどけて広がり、こぼれた糸は野鳥などに絡まるおそれがあります。
巻き替えで外した古いラインはどう捨てますか?
リールから外した古いラインも、短く切ってまとめ、自治体の「釣り糸」の区分で出します。糸を巻き終えた空スプールは、釣具店の回収ボックスで受け付けている店もあります(イシグロの一部店舗など)。巻き替え自体の目安は関連記事も参考にしてください。
釣り場で切れた糸くずはどうすればいいですか?
切れ端やライントラブルで出た糸くずは、その場で携帯用の糸くず入れ(糸くずワインダー)や空の小袋にまとめ、必ず持ち帰ってください。釣り場に残すと、劣化してマイクロプラスチック化したり、生き物が絡まる原因になります。放置は絶対に避けましょう。